ピロリ菌検査
PYROLYCOS
ピロリ菌とは
ピロリ菌は胃の粘膜に生息している棍棒状の細菌で、長い毛を持っています。感染経路は、口を介した感染(経口感染)であろうと考えられています。
感染時期は、胃粘膜の働きがまだ不十分な幼小児期(特に2歳まで)に、保護者から感染して住み着くとか、井戸水を介して感染するとか、保育施設等で感染するとか報告されています。成人してからの感染もありますが、頻度は低いようです。
ピロリ菌に感染すると、萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍等にかかりやすくなります。最近では、胃癌の発生にも強く関与しているとの報告も増えてきていますので、当院では、ピロリ菌陽性の方には、積極的に除菌することを勧めています。しかし、ピロリ菌陰性でも、ストレス性の胃・十二指腸潰瘍になることもありますし、胃癌に罹患することも少数ですがありますので、陰性でも注意は必要です。
ピロリ菌の測定法
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01
迅速ウレアーゼ試験
(内視鏡時に粘膜を生検し、その場で判定) -
02
ピロリ菌抗体測定法
(血中・尿中の抗体価を測る) -
03
尿素呼気試験
(試薬を飲む前後の呼気を測定)
上記の3つがあり、当院でのピロリ菌測定法は、内視鏡時に(01)または(02)(03)を用いています。
ピロリ菌の除菌療法は、抗生剤2種類と制酸剤1種類(計3種類)を7日間内服します。除菌療法の副作用は、下痢や肝機能障害がありますが、軽い場合が大半です。
ヨーグルトで「ピロリ菌に効果がある」と宣伝されているものがありますが、除菌効果はなく、抑制できるといった程度ですので、過信しないで下さい。
年齢別の陽性率
ピロリ菌検査の手順
当院では簡便な「尿素呼気試験法」(U-Bit)を用いたピロリ菌検査をおこなっています。ピロリ菌は胃酸から身を守るために「ウレアーゼ」という酵素を分泌して胃の中の尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解し、自身の周囲の胃酸を中和する性質を持っています。この性質を利用した検査方法で、簡単で苦痛もなく、約30分と短時間ですみ、しかも精度が高い方法です。
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Flow01
検査薬服用前 呼気採取
検査薬服用前の呼気を採取します。
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Flow02
検査薬服用
検査のため、診断薬(13C尿素)を100cc程の水で飲みます。
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Flow03
横になり待つ
服用後、身体の左側を下にして横になる姿勢で5分間待ちます。
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Flow04
座位になり待つ
15分間座った状態で待ちます。
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Flow05
検査薬服用後 呼気採取
検査薬服用後20分後に再度呼気を採取します。
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Flow06
13C尿素の測定
呼気中の13C尿素を測定します。
ピロリ菌がいると、診断薬が二酸化炭素( 13CO2)とアンモニア(NH3)に分解されるので、呼気中の二酸化炭素(13CO2)濃度が高くなります。
全体の検診時間は約30分です。検査結果は3日後には分かります。